レコードを探す
表の多くのレコードの中から「レコードを探す」と言ったとき,
見つかったレコードに移動する
見つかったレコードを集めてそれらだけを表示する
という二つの場合があります。DBPro では,前者を「検索」と呼び,後者を「選択」と呼んでいます。
- 備考
- 一般的には選択と検索の両方を含めて「検索」と呼ぶこともありますが,DBPro では両者を区別するために別の用語として使い分けています。広い意味での「検索」には「探す」または「探索」という用語を当てています。
- 目次
- 検索
- 条件指定の方法
- 条件を登録して繰り返し使う:探索条件
- 同じ条件で次々と探す
- 選択と選択ウィンドウ
- 選択の方法
- 選択ウィンドウ
- 絞込み,追加選択,補集合選択
- 同一ウィンドウへの表示と選択解除
見たいレコードを探して,最初に見つかったレコードを表示する機能が「検索」です。次のような場合に利用します。
- 商品コード,会員番号など,ユニークなキーが付けられ,データベース中に一つしか存在しないレコードを探して表示する。
- 受発注伝票,観察記録など,前後のレコードも参照したい状況において,特定の商品,特定の事象などに関するレコードを探して表示する。
レコードを探す方法には,以下に示すものがあります。
項目の値を指定して探す
- レコードの特定の項目の値を指定して,その値をもつレコードを探します。商品コードを指定しての検索,発注金額の範囲を指定しての検索などがこれに当たります。
- 探す値の指定方法には次のようなものがあります。項目検索ダイアログの[比較方法]
- 項目値全体の等値比較
- 文字列の部分一致,ワイルドカードを用いたパターン比較
- 数値や日時の範囲指定
- マーク付きレコード(項目値ではありませんが同様の方法で指定します)
- 項目値を指定した検索は,[探す]-[項目検索]コマンドで行ないます。[探す]-[項目検索],項目検索ダイアログ
- 表操作ツールバーの ボタンやショートカットキーの F5 キー,右ボタンメニューの [項目検索] でも実行できます。
複数の条件を組み合わせて探す
- 「県内在住の 20才〜30才 の女性会員」,「先月の受注のうち,単品で金額10万円以上の受注,または数量が 100以上の一括受注」というような検索を行ないます。
- それぞれの項目値に対する条件を「かつ:AND」や「または:OR」でつないで指定します。
- 複数の条件による検索は,[探す]-[条件検索]コマンドで行ないます。[探す]-[条件検索],条件検索ダイアログ
- ショートカットキーの Shift+F5 キーでも実行できます。
さらに複雑な条件は論理式を直接指定する
- 同じレコード内の項目同士を比較したり,組込み関数を利用して条件を記述したりする場合は,条件を論理式で記述しなければなりません。論理式を記述することによって,たとえば次のような条件を指定できます。
- [達成額]が[目標額]以上である営業スタッフ 比較式
- [商品コード]が商品マスターファイルに登録されていない受注レコード 組込み関数:#表引き
- 論理式による条件指定は,[探す]-[条件検索]コマンドで条件検索ダイアログを表示し,[式で指定]ボタンを押して行ないます。条件検索ダイアログ
- 同じ条件を繰返して検索に使う場合,その条件に名前を付けて表に登録しておくと,同じ条件を毎回入力する必要がなくなります。このようにして登録した条件を「探索条件」と呼びます。
- 登録した探索条件は,検索と選択の両方で共通に使うことができます。
- 探索条件の登録は,条件検索ダイアログまたは条件選択ダイアログで行ないます。条件検索/条件選択ダイアログ
- 登録した探索条件を使って検索を実行するときは,表操作ツールバーの検索リストボックスから選ぶだけで実行できます。選択を実行するときは,同じく表操作ツールバーの選択リストボックスから選ぶだけで実行できます。
- 表ファイル中に複数のレコードが見つかるような条件で検索した場合,表示されるレコードは,最初に見つかったレコードです。探し始める位置は,先頭/現在位置/末尾から選べます。現在位置から探すときの方向も上(前)/下(後ろ)のどちらかを選べます。
- 同じ条件で次のレコードを探す場合,[探す]-[上検索]/[下検索]コマンドが使えます。現在位置から探し始めて,次に見つかったレコードが表示されます。[探す]-[上検索]/[下検索]
- 表操作ツールバーの ボタンやショートカットキーの F7/Shift+F7 キーでも実行できます。
「検索」では見つかったレコードが前後のレコードと共に表示されますが,「選択」では条件に合うレコードだけが集められて,それらのレコードだけが新しいウィンドウに表示されます。次の例のように,選んだレコードすべてに共通の操作を行なう場合などに用います。
- 年賀状を送る人を選択して,それらのレコードの宛名ラベルを印刷する。
- 年間利用回数が20回を超えた人の料金を1割引きにする。
レコードを選ぶ方法には,以下のものがあります。
現在のレコードと同じ値をもつレコードを選ぶ:簡易選択
項目の値を指定して選ぶ
- レコードの特定の項目の値を指定して,その値をもつレコードを探します。
- 探す値の指定方法には次のようなものがあります。項目選択ダイアログの[比較方法]
- 項目値全体の等値比較
- 文字列の部分一致,ワイルドカードを用いたパターン比較
- 数値や日時の範囲指定
- マーク付きレコード(項目値ではありませんが同様の方法で指定します)
- 項目値を指定した選択は,[探す]-[項目選択]コマンドで行ないます。[探す]-[項目選択],項目選択ダイアログ
- 表操作ツールバーの ボタンやショートカットキーの F9 キーでも実行できます。
複数の条件を組み合わせて選ぶ
- 検索の場合と同様に,「県内在住の 20才〜30才 の女性会員」,「先月の受注のうち,単品で金額10万円以上の受注,または数量が 100以上の一括受注」というような選択を行ないます。
- それぞれの項目値に対する条件を「かつ:AND」や「または:OR」でつないで指定します。
- 複数の条件による選択は,[探す]-[条件選択]コマンドで行ないます。[探す]-[条件選択],条件選択ダイアログ
- ショートカットキーの Shift+F9 キーでも実行できます。
さらに複雑な条件は論理式を直接指定する
- 同じレコード内の項目同士を比較したり,組込み関数を利用して条件を記述したりする場合は,条件を論理式で記述しなければなりません。論理式を記述することによって,たとえば次のような条件を指定できます。
- [達成額]が[目標額]以上である営業スタッフ 比較式
- [商品コード]が商品マスターファイルに登録されていない受注レコード 組込み関数:#表引き
- 論理式による条件指定は,[探す]-[条件選択]コマンドで条件選択ダイアログを表示し,[式で指定]ボタンを押して行ないます。条件選択ダイアログ
条件を登録して繰り返し使う
ハイライトしたレコードを選ぶ
- 目視により指定したレコードだけを選びます。
- マウスや Shift+矢印キー により選びたいレコードをあらかじめハイライトしてから[探す]-[範囲選択]コマンドを実行します。[探す]-[範囲選択]
- 右ボタンメニューの [範囲選択] でも実行できます。
重複したレコードを選ぶ
- 指定した項目の値が同じであるレコードが表ファイル中に二つ以上存在するレコードを選びます。すべての項目を指定すれば,まったく同じレコードがあるか否かが調べられます。
- 重複したレコードの選択は,[探す]-[重複レコード選択]コマンドで行ないます。[探す]-[重複レコード選択],重複レコード選択ダイアログ
重複したレコードを単一化する
- 指定した項目の値が同じであるレコードが存在しないようにレコードを選びます。すなわち,重複していないレコード,および重複している場合には最初のレコードだけが選ばれます。
- 同時に,重複していたレコード数を調べることができます。
- 重複したレコードの単一化選択は,[探す]-[単一化選択]コマンドで行ないます。[探す]-[単一化選択],単一化選択ダイアログ
選択を実行した結果,選択されたレコードが表示されるウィンドウを「選択ウィンドウ」,あるいは「選択状態のウィンドウ」などと呼びます。
- 選択ウィンドウのタイトルバーには,ファイルの名前と共に,その選択を行なった方法や条件などが表示されます。
- 各選択ウィンドウで表示対象となっているレコード数(選択されたレコード数)がステータスバーに表示されます。
- 選択ウィンドウでは,通常の編集ウィンドウと同じ操作が実行できます。ただし,次の点を注意してください。
- レコードの挿入や削除を行なった場合,その選択ウィンドウに表示されているレコードは,最初に選択したときの条件に合致しているとは言えなくなります。
- [探す]-[選択除外]コマンドは,選択ウィンドウでだけ有効なコマンドであり,指定したレコードを選択ウィンドウの対象から外します。削除されるわけではありません。
- 索引の登録や変更はできません。
- 選択ウィンドウの表示対象ファイルを最初に開いたときのウィンドウが閉じられると,そのウィンドウから派生したすべての選択ウィンドウも閉じられます。
選択ウィンドウで表示対象となっているレコードを基準にして,絞込み,追加,補集合などの選択が実行できます。
さらに絞り込んで選ぶ
- 選択ウィンドウでもう一度選択を実行すると,それは現在対象となっている選択レコードから更に絞り込む選択になります。
- 絞込み選択を行なうには,選択ウィンドウで上記「選択の方法」で示したいずれかの選択を実行します。
- 絞込み選択は,元のウィンドウに対して,現在の選択条件との AND条件で選択することに相当します。ただし,選択ウィンドウに対してレコードの追加,削除,除外が行なわれていた場合,結果は異なります。
他の条件のレコードも追加して選ぶ
- 選択された結果を見て選択の条件を緩めたい場合,追加選択を行ないます。追加選択では,現在の選択ウィンドウの元になったウィンドウから新たな条件でレコードを選び,選ばれたレコードを現在の選択ウィンドウに追加します。
- 追加選択を指定できるのは,[項目選択]および[条件選択](式による指定を含む)だけです。重複レコード選択や単一化選択では追加選択を指定できません。項目選択ダイアログ:追加選択,条件選択ダイアログ:追加選択
- 追加選択は,元のウィンドウに対して,現在の選択条件との OR条件で選択することに相当します。ただし,選択ウィンドウに対してレコードの追加,削除,除外が行なわれていた場合,結果は異なります。
- 注意
- 追加選択で選択の対象となるレコードは,たとえ閉じられていたとしても現在の選択ウィンドウの元となったウィンドウと同じものです。DBPro V3 では元のウィンドウが閉じられていた場合には,さらにその元になったウィンドウを対象にして選択していました。仕様が変更になっていますので注意してください。
補集合を選ぶ
- 元のウィンドウから,現在の選択ウィンドウに含まれていないレコードだけを選びます。
- 補集合選択は,[探す]-[補集合選択]コマンドで実行します。[探す]-[補集合選択]
- 補集合選択は,元のウィンドウに対して,現在の選択条件の NOT条件で選択することに相当します。ただし,選択ウィンドウに対してレコードの追加,削除,除外が行なわれていた場合,結果は異なります。
- 注意
- 補集合選択の場合も,選択の対象となるレコードは,たとえ閉じられていたとしても現在の選択ウィンドウの元となったウィンドウと同じものです。DBPro V3 とは異なり,元のウィンドウが閉じられていたとしても,さらにその元になったウィンドウを対象にすることはありません。
次々と条件を変更して選択を繰り返したり,絞込み選択を繰り返したりしているうちに,画面が選択ウィンドウで溢れてしまうことがあります。こまめに不要になった選択ウィンドウを閉じれば良いのですが,最初から選択ウィンドウの数を増やさずに選択することができます。