DBPro V3.2 から V4 への変更点
Version 4 は部分的な改良や機能追加ではなく,16ビットアプリケーションから 32ビットアプリケーションへの全面的な書き換えです。書き換えにあたっては旧バージョンと互換性を保つために同じ機能については極力同じ操作性で実現するよう考慮しましたが,変更の箇所は極めて多肢に渡ります。ここでは概観していただくために主だったものだけを挙げますので,実際に操作する段階では改めて個々の操作に対応する解説をご覧ください。
●データ要素に関する変更
レコード操作の中核であるデータベースエンジンを 16ビットアプリケーションから 32ビットアプリケーションに書き換えました。これに伴ない次の点などが改善されています。
レコード長など
- 項目値の最大長に制限がなくなりました( V3 は 4,000バイトまで)。
- レコード最大長も制限がなくなりました( V3 は 16,000バイトまで)。
- 表ファイルの物理的な分割単位であるページサイズを 1KB 〜 32KB の範囲で指定できるようになりました。新規作成/定義変更ダイアログ:ページサイズ
- 1レコード当たりの最大項目数が約 4,000(ページサイズ=32KB のとき)になりました( V3 は 500 )。
書式の拡張
- 文字列書式が追加されました。
- 日付書式で旧暦,陰暦での表示が可能になりました。
- 書式機能文字の全角/半角が区別され,全角の機能文字に対しては全角の,半角の機能文字に対しては半角の文字で結果が表示されます。書式の構文:解説
その他
- ファイルに登録していないフォントも指定できるようになりました。
- 色の指定は,基本16色に加えて,Windows の設定色,任意の RGB 指定の色が指定できるようになりました。
- UNC(Universal Naming Convention)に対応し,これまでは仮想ドライブを割り当てなければならなかったネットワーク上のファイルに対して,V4 では UNC による名前(たとえば \\server1\project1\user1\foo.dpt )を直接指定できます。
●表定義に関する変更
- 項目種別に「仮想項目」が導入され,表ファイル中に実体をもたずに式で表現される値を表示できるようになりました。
- 表ファイル内変数が導入され,レコードに依存しない値を表ファイル中にもてるようになりました。
- 項目属性:加工式が導入され,入力したデータの全角/半角,ひらがな/カタカナ,マイナス/長音などを自動的に統一できます。
- 項目属性:入力システムが導入され,V3 のかな漢字変換モード自動制御に加えて,入力システム自体も項目ごとに切り替えられるようになりました。日本語,英語,韓国語,中国語などが混在する表でも入力が楽に行なえます。
●ウィンドウ表示などの変更
●編集機能の変更
- ある項目の値に従ってレコードを整列させることが,索引を作成しないでも簡単にできるようになりました。[表操作]-[整列]
- カーソル位置の項目の値と同じ値をもつレコードをボタン一つで探せるようになりました。[探す]-[簡易選択]
- レコードの集計を行なった結果のレコードを,対象になったレコードの最後ではなく先頭に置くこともできるようになりました。集計ダイアログ
- クロス集計の結果に対する縦集計を同時に指定できるようになりました。クロス集計ダイアログ
- 読込み定義,書出し定義,置換式が表に登録できるようになり,同じ指定を繰り返し利用できるようになりました。
- 式入力ダイアログが用意され,大きな式の入力が楽になりました。
- 選択肢が設定された項目の値を選ぶときのウィンドウの形を #対話表引き のときと同じポップアップウィンドウにできるようになりました。両者が区別なく使えます。
- ホイールボタン付きマウスに対応しました。マウス操作
- 元号を省略したときの2桁年の解釈を各種設定ダイアログで指定できるようになりました。
表オブジェクト関連
その他
- 項目オブジェクトやデータオブジェクトの値をエディットボックスだけでなく,リストボックス,オプションボタン,チェックボックスなどで表示/編集できるようになりました。機能ガイド:表示/編集用コントロール
- OLE 枠オブジェクトが導入され,Microsoft Excel のグラフなど,他のアプリケーションのデータをカード中に表示できるようになりました。
- V3.2 までは V1 の頃の印刷環境に合わせて画面用フォントの組とは別に印刷用フォントの組が設定できましたが,V4 でのフォントの組は1種類だけになりました。[属性]-[フォント設定]
- 対象表を指定しないカードでも式オブジェクトが置けるようになりました。
●印刷に関する変更
印刷形式と表示形式について
- V3 では印刷形式全体で一つしか指定できなかった属性の幾つかが項目ごとに指定できるようになりました。
- それに伴ない,項目ごとに指定できるようになった属性は印刷形式から表示形式に移されました。
●ビューに関する変更
●スクリプトと DPL に関する変更
- これまで実行形式ファイル dpo のサイズは 64KB まででしたが,その制限がなくなり,DPL プログラムのサイズに制限がなくなりました。
- もともとの機能が大きく変わっているために,一部に V3 と非互換になるステートメントがあります。DPL の機能:旧バージョンとの相違
●その他の変更
- HTMLファイルや XMLファイルへの書き出しが可能になりました。インターネットでのデータ流通にお役立てください。書出しダイアログ:ファイルページ:HTML/XMLファイルの場合
- コンバータの変換対象ファイルに増減があります。Access が双方向変換可能になり,MS-DOS版の桐は DBPro への変換だけになりました。(桐 for Windows のファイルは変換できません。)ファイルコンバータ
- ヘルプはご覧のように HTMLファイルで記述され,日常的に使っている Internet Explorer や Netscape Navigator で見られるようになりました。