DBProが扱うデータベースの最も基本的なデータが表です。表は,個々のデータが縦横に並んだ形をしています。


目次
項目とレコード
項目属性
表示形式
表属性
索引
各種の登録情報
ファイル内変数
表ファイル

項目とレコード

DBProでは表の縦1列を「項目」,横1行を「レコード」と呼びます。一つのレコードの一つの項目に格納されるデータを「項目値」と呼びます。

項目1項目2  …  項目m
項目値1-1項目値1-2項目1-m
項目値2-1項目値2-2項目2-m
項目値n-1項目値n-2項目n-m

項目

レコード


項目属性

項目属性は,表を構成する項目の性質を指定します。文字列/数値などのデータ型,入力可能な値の範囲を指定する検査条件など,データそのものの性質だけでなく,表引き入力/自動ふりがななどの入力補助機能,他のアプリケーションとの連携など,DBProの多くの機能は,項目属性に設定する内容によって実現されます。

項目名

項目を識別するために付ける名前です。

形式
<項目名>::=<通常識別子>
|<区切り識別子>
<通常識別子>::=(英字,仮名,漢字,ギリシャ文字,ロシア文字,下線で始まる英仮名漢字下線数字列)
<区切り識別子>::=[ <角括弧を除く任意の文字列> ]
|" <二重引用符および角括弧を除く任意の文字列> "

項目名の規則

項目の指定

データ型

その項目に格納するデータのデータ型を指定します。→データ型と定数

項目種別

項目には,外部からデータを入力できる通常の項目と,他の項目値などから自動的に計算される項目とがあります。

基本項目

計算項目

仮想項目

計算式と再計算

項目種別が「計算項目」または「仮想項目」の場合に,その値を表現する式を指定します。

例:
[単価]×[数量]
#表引き('master.dpt',.[コード]=[商品コード],.[商品名],'コード順')

初期値式とその評価タイミング

レコードが初めて表に挿入されたときに項目の初期値を自動的に設定させることができます。

ナル値の扱い

理論的には,ナルは不定だとか未入力だとかを表わす値なので,ナルと別の値との間で演算を行なった結果はナルになります。しかし,未入力の数値項目などのナルは,実用的にはゼロとして扱った方が便利なことが多いので,DBPro では項目値としてのナルをゼロと同じに扱うこともできます。

起動プロセス

項目値をパラメータとして別の Windows アプリケーションを起動できます。

起動プロセスの設定

注意

起動プロセスの起動

ファイル型項目のプロセス起動

ヒント

表の利用者に対して項目の説明を表示することができます。

注釈

覚書きとして,任意の文字列を登録しておくことができます。

選択肢とその関連オプション

項目に入力されるデータがいくつかの値に決められている場合,あるいはいくつかの値だけが頻繁に入力される場合,項目属性に選択肢を指定しておくと,データを入力するときに選択肢一覧が表示され,そこから一つを選ぶだけでそのデータを入力することができます。

選択肢の設定と編集ウィンドウでの選択入力

選択肢ウィンドウの形

選択入力後の編集可/不可(選択肢編集)

選択肢 <なし> の表示/非表示

選択肢のガイド表示

選択肢ウィンドウの表示タイミング

式中での選択肢および選択肢番号の参照

入力システム

この項目にデータを入力するときの言語,入力システムを指定します。

かな漢制御

表編集ウィンドウ,カード編集ウィンドウでのデータ入力中に,かな漢字変換システムのオン/オフ,かな/カナ/英数,全角/半角を項目ごとに自動的に切り替えることができます。

加工式

日常のデータ入力作業で犯しがちな入力ミスを自動的に修正したり,意図的に略号で入力した文字列を正しい文字列に置き換えて入力することができます。

入力必須

検査条件とその関連オプション

項目に入力されるデータが満たしていなければならない条件を指定することができます。これによって,項目に正しくないデータが入力されるのを防ぎ,データベースを常に正しい状態に保ちます。

違反メッセージの設定

検査条件の検査時機

注意


表示形式

表編集ウィンドウや表印刷において,表をどのような形で表示・印刷するかを指定する情報の集まりが表示形式です。

表示形式の内容

表示形式の登録と表示形式名

標準表示形式

表示形式の利用


表属性

表全体に関する幾つかの属性があります。


索引

索引( DBPro V3 では整列索引と呼んでいました)は,キー項目の値を指定することによって,その値をもつレコードが表ファイル中のどこにあるかを瞬時で分かるようにするための「キー項目値→レコード位置」対応データ集です。あらかじめ索引を用意しておくことによって,後述するレコードの整列,検索,選択,併合などが高速に実行できます。また,同じキーをもつレコードを一つのグループとして集計したり,1枚の伝票に表示・印刷したりするときのグループ分けのためにも索引を用います。
DBPro で利用者が作成する索引は,レコードの整列にも用いるため,キー項目が順番に並ぶ B-Tree という構造で実現されています。

キー項目
整列の基準になる項目,グループ分けのキーになる項目,あるいは表の併合時に照合キーとして使う項目などを指定します。キー項目には複数の項目を指定できます。複数の項目を指定した場合,キー項目すべての値を指定するか,上位から連続する幾つかのキー項目の値を与えればレコードの位置が求められます(下位のキー項目の値は必ずしも必要ありません)。
整列順
各キー項目ごとに,その項目をどのような順番で並べるかを指定します。指定できる整列順は,項目のデータ型によって異なります。
昇順/降順数値,整数,実数,年月間隔,日時間隔の場合に小さい順/大きい順に並びます。
日付,時刻の場合に古い順/新しい順に並びます。
文字列型,ファイル型には指定できません。
辞書順/辞書逆順文字列型,ファイル型の項目に指定できます。→辞書順
文字符号順/文字符号逆順文字列型,ファイル型の項目に指定できます。各文字の文字符号(JIS符号)によって順番が決まります。

索引の作成と登録

索引によるレコードの整列

索引を使うと瞬時にレコードを並べかえられます。

索引による処理の高速化

索引の重要な効用として幾つかの処理の高速化があります。

索引によるレコードのグループ化

次の各処理では,ある項目の値が同じである連続するレコードを一つのグループとして扱います。グループ分けに使う項目をキーとした索引を作成しておくと,表の中の同じ値をもつレコードを1箇所に集めることができます。

索引による重複入力の禁止:重複禁止索引

主キーについて

DBPro では特に主キーを必要とはしません。

登録されている索引の表示と印刷


各種の登録情報

表には,データそのもの(レコード)とは別に,さまざまな機能を実現するための情報・パラメータを登録しておくことができます。これらの登録情報を使うと,名前を指定するだけでそれぞれの機能を簡単に実行できます。
これらの情報は,[他]-[登録情報印刷](表定義ウィンドウ,ビュー定義ウィンドウの場合は[ファイル]-[印刷])で印刷できます。

表示形式項目の表示順序,幅,表示属性を指定します。→表示形式
索引レコードの整列,グループ化,処理の高速化などに利用します。→索引
印刷形式表印刷の形を登録します。→表印刷と印刷形式
探索条件レコードの検索や選択を行なう論理条件を登録します。→レコードを探す
集計定義項目ごと,グループごとの小計,総計などを登録します。→集計と集計ウィンドウ
クロス集計定義集計結果を見やすい形に整理します。→クロス集計
併合定義他のファイルとの間でマスタ/トランザクションの更新処理を行なう方法を登録します。→併合ダイアログ
読込み定義他のファイルからデータを読み込むときのパラメータを登録します。→読込みダイアログ
書出し定義他のファイルへデータを書き出すときのパラメータを登録します。→書出しダイアログ
置換式の登録置換式を指定して項目の一斉置換を行なう際に,複雑な式は登録しておくことができます。→式で置換ダイアログ
フォント設定フォント名とサイズを組にして,フォント番号で参照できるようにします。→フォント設定ダイアログ

ファイル内変数

それぞれの表には,項目の値を参照するのと同じように参照・更新することができる変数を定義しておくことができます。式の中で項目参照を書けるところにはどこにでもファイル内変数名も書くことができ,レコードには依存しない,表全体で一つの値を参照・更新することができます。

ファイル内変数の属性と値

ファイル内変数の定義

値の参照と変更

注意


表ファイル

表ファイルは,一つの表に関するあらゆるデータが格納されるファイルです。基本データであるレコードが格納されるとともに,表属性,項目属性,フォント設定などの定義情報,索引,表示形式,探索条件などの登録情報も保存されます。

表ファイル名と拡張子

表ファイルの大きさ

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